この件を見ていて、通常の再生事案に比べ、非常に不自然に思った点がいくつかあります。
1.日本航空の再生は誰ために行うのか?
さまざまな記事がこの会社が他社に落伍した経緯を述べていますので、その点については割愛しますが、基本的に行わなくてはならない事項は明らかで、コスト構造改善、年金債務解消、過大債務解消に整理出来ると思います。これらの問題点を当事者である日本航空の役職員、そのOB、そして多数の不採算路線を押し付けてきた国(国土交通省)、資金供出元である債権者(金融機関)、らが主体的に取り組めば解消するはずの事柄です。
しかし、今までのメディア報道を見ていると、全く当事者が主体的に取り組んできた様な内容は伝わって来ません。役職員、OB、債権者とも、相当な「血」を流す事になるのですが、この取り組みが彼らのためになる、という理解があり、施策実現に協力的であればよいのですが、その様な展開は現時点では期待出来ないのではないかと思います。
2.本件の主たる責任者は誰で、そのリスクを理解しているのか?
一方で、本来リストラプランを作るべき債務者(日本航空)の代わりに、国土交通省が雇い入れた「代理人」が作成をしており、今回のリストラに伴うリスクは新規出資者である国が全面的に負う事になっていますが、国には恐らく「代理人」が作成したプランの実現性・実効性を評価する能力も、実行する能力もありません。一方でその「代理人」は、債権者である金融機関にリストラプランの実現を前提に巨額の支援を迫っている、といった状況です。
通常、債権者の立場で支援提供を行う上ためには、本件の主たる責任者が明確になっており、その主たる責任者が、「相当のリスクを負ってリストラを進める」ので実現性が高いと判断出来るという前提が成立する必要があると思います。しかし今回は、リスクを負うのは国ですがどんなリスクを負っているか恐らく把握しておらず、リストラプランの実現性・実効性は、債務者である日本航空役職員、及びOB(こちらは年金の受給者ですから債権者)の協力が得られるか不明な現時点であり、また「代理人」は本件が失敗に終わっても、風評以外のリスクは無い(または限られている)、ということですから、「支援」という話にはなりにくいのではないでしょうか。
3.国の資金導入をどの様に肯定化しうるのか?
今回の案件は、事業再生ADRを利用する旨が伝えられています。この制度は第三者機関に債権者との調整を委ねるものです。つまり主たる責任者たる「国」は、債権者との合意が実現するか不透明な状況、かつ債務者及び利害相反しうる他の債権者との調整もつかないまま、巨額の資本拠出と融資保障をする事になります。
そして、債権者調整が難航した場合、またリストラ(これは先の「代理人」が担当する様です)が予定通り進捗しないまたは効果を生まない場合、そのまま出資持分の価値が毀損することになります。最悪の場合、たとえば今後さらに赤字垂れ流しが続いた場合、再度出資が必要になる可能性もあり得ます。国が全面的に責任を負って行うには、かなり説明が困難なのではないでしょうか?また、他の再生事案の存在も考えると、「なぜ日航にだけ?」という指摘もありそうです。
本件を民間の出資者らが取り組むなら、上記の様な問題点はありません。出資者(本件では国の立場の組織)はこうした案件に参画することを期待されていますし、拠出する資金も「税金」では無い「リスクマネー」ですから、多少の危なっかしさも許容されます。「代理人」は完全に出資者と利害一致させるため、「代理人」に委託ではなく「主たる責任者」自信がその役割を担うでしょう。その責任者は債務者・債権者との調整が付か不明な段階では、資本を拠出することはしないでしょうし、債権者も出資者のコミットメントを見て、支援姿勢を判断する事が出来ます。
こうした点を考えると、今回の再生劇は非常に不自然に感じる中で、話が進んでいると思います。こうせざるを得なかった/こうなってしまった事情もあると思いますので、一方的に批判する事では無いと思いますが、上記の点の整理がつかないまま話だけ進んでしまうのは、非常に危険ではないかと、危惧する次第です。
日航が国交省チームを執行役員に
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/308412/
国債発行44.1兆円以下にしなければ市場の信頼失う=財務相
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR200910250007.html
債権放棄、銀行「のめぬ」 日航再建交渉本格化
http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY200910180308.html
日航再建、背水の政府 「負の遺産」処理が難題
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091025AT3S2401M24102009.html
2009年10月26日月曜日
2009年10月23日金曜日
日本航空(9205) その2
今回のリストラに伴い、相応の子会社・関係会社持分及び資産の売却を行う事になると思います。
開示情報ベースという制限付ではありますが、どの程度の売却資産がありうるかについて、考えてみたいと思います。(もっとも大半の資産は借入金の担保となっていますので、自由に使える現金ではありませんが。)
1.不動産資産
事業の性格を考えると、かなりの資産が飛行場近辺の立地であり、あまり一般的に資産性を認めにくいと考えられます。保有不動産を眺めていて唯一目に付くのは、本社事業所として東京都品川区に保有する簿価1150億円の土地・建物です。この資産を仮に簿価譲渡し7%のグロス賃料で賃借し続ければ、年間81億円の家賃と引き換えになりますが、相当な現金を作り出す事が出来そうです。ただし、本業の収益力の回復が無いと、物件の売却は実行しにくいと思います。
2.飛行機
日本航空は166機、簿価で7235億円の機体と部品を保有しています。仮に簿価25億円未満の66機(簿価635億円)を売却するとして、仮に半値で売れたと想定するなら、317億円の現金を作り出せそうです。
3.子会社・関係会社株式
上場会社は航空施設(8864)、JALUX(2729)、エージーピー(9377)の三社で、時価で107億円相当。
また、未上場会社ですが;
JALホテルズ:
フリーキャッシュフロー875百万円、ネット有利子負債336百万円、割引率7%想定で株式価値131億円
TFK:
当期利益500百万円、PER15倍、無借金の想定で株式価値75億円
JALカード:
当期利益20億円、PER15倍、無借金の想定で株式価値300億円
ジャルツアーズ+ジャルパック:
合計売上高2583億円、無借金想定で株価売上高倍率を同業のHIS(9603)の0.18倍と想定し、株式価値472億円
航空貨物部門:
現在日本郵船と事業統合を協議中。売上高1998億円、同業の郵船航空サービス(9370)と近鉄エクスプレス(9375)の株価売上高倍率の0.3倍と想定し、株式価値は598億円。(ただし、連結外になる事は回避すると思われるため、49%持分を郵船に第三者割り当て増資すると想定し、294億円の現金を得ると思われる)
未公開会社については基本的に情報が無いため、非常に大雑把な推定となりますが、子会社売却でも結構な現金を手にする可能性があるようです。実際にはどこまで売却するべきかの議論が先にあるでしょうから、ここまで気前良く売却が進行するとは思いませんが、同業企業は注目しているのではないでしょうか。
日航、子会社の「JALホテルズ」売却検討
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091019-00000673-yom-bus_all
JALカード株式の売却検討~専門家チーム
http://www.news24.jp/articles/2009/10/14/06145741.html
<日本航空>大型機数十機を処分 タスクフォースが検討
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091017-00000005-mai-bus_all
開示情報ベースという制限付ではありますが、どの程度の売却資産がありうるかについて、考えてみたいと思います。(もっとも大半の資産は借入金の担保となっていますので、自由に使える現金ではありませんが。)
1.不動産資産
事業の性格を考えると、かなりの資産が飛行場近辺の立地であり、あまり一般的に資産性を認めにくいと考えられます。保有不動産を眺めていて唯一目に付くのは、本社事業所として東京都品川区に保有する簿価1150億円の土地・建物です。この資産を仮に簿価譲渡し7%のグロス賃料で賃借し続ければ、年間81億円の家賃と引き換えになりますが、相当な現金を作り出す事が出来そうです。ただし、本業の収益力の回復が無いと、物件の売却は実行しにくいと思います。
2.飛行機
日本航空は166機、簿価で7235億円の機体と部品を保有しています。仮に簿価25億円未満の66機(簿価635億円)を売却するとして、仮に半値で売れたと想定するなら、317億円の現金を作り出せそうです。
3.子会社・関係会社株式
上場会社は航空施設(8864)、JALUX(2729)、エージーピー(9377)の三社で、時価で107億円相当。
また、未上場会社ですが;
JALホテルズ:
フリーキャッシュフロー875百万円、ネット有利子負債336百万円、割引率7%想定で株式価値131億円
TFK:
当期利益500百万円、PER15倍、無借金の想定で株式価値75億円
JALカード:
当期利益20億円、PER15倍、無借金の想定で株式価値300億円
ジャルツアーズ+ジャルパック:
合計売上高2583億円、無借金想定で株価売上高倍率を同業のHIS(9603)の0.18倍と想定し、株式価値472億円
航空貨物部門:
現在日本郵船と事業統合を協議中。売上高1998億円、同業の郵船航空サービス(9370)と近鉄エクスプレス(9375)の株価売上高倍率の0.3倍と想定し、株式価値は598億円。(ただし、連結外になる事は回避すると思われるため、49%持分を郵船に第三者割り当て増資すると想定し、294億円の現金を得ると思われる)
未公開会社については基本的に情報が無いため、非常に大雑把な推定となりますが、子会社売却でも結構な現金を手にする可能性があるようです。実際にはどこまで売却するべきかの議論が先にあるでしょうから、ここまで気前良く売却が進行するとは思いませんが、同業企業は注目しているのではないでしょうか。
日航、子会社の「JALホテルズ」売却検討
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091019-00000673-yom-bus_all
JALカード株式の売却検討~専門家チーム
http://www.news24.jp/articles/2009/10/14/06145741.html
<日本航空>大型機数十機を処分 タスクフォースが検討
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091017-00000005-mai-bus_all
日本航空(9205) その1
今話題の日本航空の再生劇について、色々な観点から少しづつコメントしたいと思います。
メディア報道によれば、おおよそどの様な形でのバランスシートリストラクチャリングを行うかが固まってきたようです。
a.取引銀行による2200億円の債務免除と300億円のDES(債務の株式化)
b.1800億円程度の取引銀行による、国の信用保証付き「つなぎ融資」の提供
c.3000億円程度の国による出資
上記は2010年3月期末の当期損失が5000億円程度になる事を想定しての事と思われます。内訳は営業損失で2000億円、リストラ費用及び資産償却を併せて上記数値となる様です。これらの数値について、開示資料+いくつかの推定ベースで考えてみたいと思います。
まず、営業損失の2000億円ですが、有効座席利用率(販売出来た座席の割合)が55%程度を想定していると思われます。09年3月末実績で国際・国内線合わせて64%程度の利用率でしたが、最近の四半期毎の実績を見ますと前年より6%程度落ちて見えること、旅客手荷物収入を有償旅客キロで割った数値を見ますと、対前年比で34%ほど落ちていますので、長い目では業績回復を期待しつつも短期的には、覚悟をせざるを得ない数値のようです。
リストラ費用ですが、9千人の方に退職していただく上で、退職割増金をいくら出すか?という想定しだいですが、高給取りの方も多いと思いますので、ざっと1千万円程度は見て900億円。残り2000億円は資産処分損ということになりそうです。大きな資産としては、やはり飛行機だとおもうのですが、簿価25億円未満の保有機66機(保有機の約40%)を単純に0査定しても、635億円の損失にしかなりませんので、残りは不動産及び子会社の処分損でしょう。保有不動産では売却対象となりそうなのは、本社ビルが土地・建物で1100億円程の簿価、また子会社であるJALホテルズ等の売却がその出所となりますが、開示情報で見た限りでは2000億円の損失は考えにくいと思います。航空機処分損と併せてせいぜい1000億円弱、当期損失は4000億円未満では無いでしょうか。ただし、現在年金の一時払いによる債務圧縮も検討されているようですから、これに伴う未認識債務の認識に伴う損失が上乗せされるのかもしれません。
こうして5000億円もの当期損失が発生すると、単純に前期末の株主資本から差し引いて3253億円の債務超過となります。これを債務免除益と増資で埋め合わせるために、5500億円(=2200+300+3000)が必要ということの様です。2500億円(=2200+300)の負債が削減され、10年3月末期限の社債が償還されるとすると、有利子負債残高は5030億円となり、Debt/Equityレシオは2倍強。ネット有利子負債は10年3月期のキャッシュフローを考慮しなければ、300億円(=5030-1730-3000)と、かなり健全なバランスシートになる様です。
もっとも、そもそも主に銀行を中心とした債権者が上記の要請を受け入れるか、まだ未確定ですし、借入金の減免を協議しておきながら、既存の社債及び株式についての取り扱いがどうなるのかも聞こえてきません。(「べき論」としては、社債・株式とも一部返済免除や無償減資などが求められるのだと思いますが、どうなるのでしょうね)資産売却を想定すれば、返済原資がそれなりにある事を考えると、国土交通省側としては話をこじらせないためにも、社債権者との交渉は避けたいのかもしれませんが、社債より上位の債権者に債務免除を求めている点と、どう整合させるか?
株式資本については、投資リターンに厳しくない国が出資者という前提であれば、このままの条件で出資に応じる可能性もありでしょう。一株100円で50%強の議決権を持つことになるのでしょうから、無理に既存株主の議決権を押し下げるために、無償減資させる必要は無いでしょうから。
日航、赤字5000億円…2010年3月期
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091022-00000110-yom-bus_all
日航「つなぎ融資」に政府保証=私的整理「ADR」申請へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091023-00000005-jij-bus_all
日航支援 資本増強3000億円 専門家チーム、大半が公的資金
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091022-00000047-san-bus_all
メディア報道によれば、おおよそどの様な形でのバランスシートリストラクチャリングを行うかが固まってきたようです。
a.取引銀行による2200億円の債務免除と300億円のDES(債務の株式化)
b.1800億円程度の取引銀行による、国の信用保証付き「つなぎ融資」の提供
c.3000億円程度の国による出資
上記は2010年3月期末の当期損失が5000億円程度になる事を想定しての事と思われます。内訳は営業損失で2000億円、リストラ費用及び資産償却を併せて上記数値となる様です。これらの数値について、開示資料+いくつかの推定ベースで考えてみたいと思います。
まず、営業損失の2000億円ですが、有効座席利用率(販売出来た座席の割合)が55%程度を想定していると思われます。09年3月末実績で国際・国内線合わせて64%程度の利用率でしたが、最近の四半期毎の実績を見ますと前年より6%程度落ちて見えること、旅客手荷物収入を有償旅客キロで割った数値を見ますと、対前年比で34%ほど落ちていますので、長い目では業績回復を期待しつつも短期的には、覚悟をせざるを得ない数値のようです。
リストラ費用ですが、9千人の方に退職していただく上で、退職割増金をいくら出すか?という想定しだいですが、高給取りの方も多いと思いますので、ざっと1千万円程度は見て900億円。残り2000億円は資産処分損ということになりそうです。大きな資産としては、やはり飛行機だとおもうのですが、簿価25億円未満の保有機66機(保有機の約40%)を単純に0査定しても、635億円の損失にしかなりませんので、残りは不動産及び子会社の処分損でしょう。保有不動産では売却対象となりそうなのは、本社ビルが土地・建物で1100億円程の簿価、また子会社であるJALホテルズ等の売却がその出所となりますが、開示情報で見た限りでは2000億円の損失は考えにくいと思います。航空機処分損と併せてせいぜい1000億円弱、当期損失は4000億円未満では無いでしょうか。ただし、現在年金の一時払いによる債務圧縮も検討されているようですから、これに伴う未認識債務の認識に伴う損失が上乗せされるのかもしれません。
こうして5000億円もの当期損失が発生すると、単純に前期末の株主資本から差し引いて3253億円の債務超過となります。これを債務免除益と増資で埋め合わせるために、5500億円(=2200+300+3000)が必要ということの様です。2500億円(=2200+300)の負債が削減され、10年3月末期限の社債が償還されるとすると、有利子負債残高は5030億円となり、Debt/Equityレシオは2倍強。ネット有利子負債は10年3月期のキャッシュフローを考慮しなければ、300億円(=5030-1730-3000)と、かなり健全なバランスシートになる様です。
もっとも、そもそも主に銀行を中心とした債権者が上記の要請を受け入れるか、まだ未確定ですし、借入金の減免を協議しておきながら、既存の社債及び株式についての取り扱いがどうなるのかも聞こえてきません。(「べき論」としては、社債・株式とも一部返済免除や無償減資などが求められるのだと思いますが、どうなるのでしょうね)資産売却を想定すれば、返済原資がそれなりにある事を考えると、国土交通省側としては話をこじらせないためにも、社債権者との交渉は避けたいのかもしれませんが、社債より上位の債権者に債務免除を求めている点と、どう整合させるか?
株式資本については、投資リターンに厳しくない国が出資者という前提であれば、このままの条件で出資に応じる可能性もありでしょう。一株100円で50%強の議決権を持つことになるのでしょうから、無理に既存株主の議決権を押し下げるために、無償減資させる必要は無いでしょうから。
日航、赤字5000億円…2010年3月期
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091022-00000110-yom-bus_all
日航「つなぎ融資」に政府保証=私的整理「ADR」申請へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091023-00000005-jij-bus_all
日航支援 資本増強3000億円 専門家チーム、大半が公的資金
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091022-00000047-san-bus_all
2009年10月22日木曜日
モーターショー しぼむ「東京」
今朝の朝日新聞HPで東京モーターショウに関する記事が掲載されていました。言わんとする点は、「隣の中国に比べて質素になった感が否めない東京モーターショウ」ということらしい。
まあ確かに出展社数が前回より133社へって113社であること、特に海外企業が3社しか出展しない点、さらに上海ショーでは1500社!が出展した事をみれば、その感がある事も否定は出来ない。
ただ、少々自己否定的過ぎる印象もあるので、少し見方を変えて前向きに捕らえてみたい。
1.入場者数が案外大きく、イベントとしてはそれほど成績は悪くない
昨年のパリが16日間で143万人だったのには及ばないが、デトロイト(1月)、ジュネーブ(3月)がそれぞれ11,12日間で65万人程度だったことを考えると、東京の13日間で前回143万人、今回が100万人目標、というのは結構健闘しているのではないか?ショーの成否を来場者数で計るなら、東京はそう悪くない成績を収めていると思うが。
2.海外メーカーの力が入らない理由は、国産メーカーの強さゆえ
記事にもあったが、外車の国内販売比率がわずか7.4%。一方米国では33.4%、ドイツでは35.1%とのこと。つまり国産メーカーが強すぎて力を注ぎにくいという解釈が出来る。事実、製品価格、アフターサービス、信頼性などを考えると、外国車メーカーが相応に反省すべき点は多々あると思われ、そうした会社側の努力不足を棚に上げて、「海外メーカー出展数が少ない=魅力の無い市場」と片付けてしまうのはどうか。
3.そもそもモーターショウの位置づけを考え直す時期ではないか?
確かに、一種の「見世物」としてこのイベントを取り上げると、この記事が言うように「まあちょっとさびしいよね」という論調は理解出来る。だが、消費者も業界関係者も現在はウェブ・雑誌で海外ショーの展示内容なども事前に入手出来るし、必要な情報はいつでも手に入れるだろう。似たような内容のイベントを世界中でやっていたら、出展者も来場者も期待出来ないのは事の道理。それに早く気づき対策をする契機となったという意味では、長い眼でみればそれほど悪くないのでは。
モーターショー しぼむ「東京」
http://www.asahi.com/car/news/TKY200910210557.html
外車メーカー、販促イベントに力 存在感低下さける狙い
http://www.asahi.com/car/news/TKY200910160533.html
東京モーターショー wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC#.E5.85.A5.E5.A0.B4.E8.80.85.E6.95.B0
まあ確かに出展社数が前回より133社へって113社であること、特に海外企業が3社しか出展しない点、さらに上海ショーでは1500社!が出展した事をみれば、その感がある事も否定は出来ない。
ただ、少々自己否定的過ぎる印象もあるので、少し見方を変えて前向きに捕らえてみたい。
1.入場者数が案外大きく、イベントとしてはそれほど成績は悪くない
昨年のパリが16日間で143万人だったのには及ばないが、デトロイト(1月)、ジュネーブ(3月)がそれぞれ11,12日間で65万人程度だったことを考えると、東京の13日間で前回143万人、今回が100万人目標、というのは結構健闘しているのではないか?ショーの成否を来場者数で計るなら、東京はそう悪くない成績を収めていると思うが。
2.海外メーカーの力が入らない理由は、国産メーカーの強さゆえ
記事にもあったが、外車の国内販売比率がわずか7.4%。一方米国では33.4%、ドイツでは35.1%とのこと。つまり国産メーカーが強すぎて力を注ぎにくいという解釈が出来る。事実、製品価格、アフターサービス、信頼性などを考えると、外国車メーカーが相応に反省すべき点は多々あると思われ、そうした会社側の努力不足を棚に上げて、「海外メーカー出展数が少ない=魅力の無い市場」と片付けてしまうのはどうか。
3.そもそもモーターショウの位置づけを考え直す時期ではないか?
確かに、一種の「見世物」としてこのイベントを取り上げると、この記事が言うように「まあちょっとさびしいよね」という論調は理解出来る。だが、消費者も業界関係者も現在はウェブ・雑誌で海外ショーの展示内容なども事前に入手出来るし、必要な情報はいつでも手に入れるだろう。似たような内容のイベントを世界中でやっていたら、出展者も来場者も期待出来ないのは事の道理。それに早く気づき対策をする契機となったという意味では、長い眼でみればそれほど悪くないのでは。
モーターショー しぼむ「東京」
http://www.asahi.com/car/news/TKY200910210557.html
外車メーカー、販促イベントに力 存在感低下さける狙い
http://www.asahi.com/car/news/TKY200910160533.html
東京モーターショー wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC#.E5.85.A5.E5.A0.B4.E8.80.85.E6.95.B0
2009年10月21日水曜日
サンリオ(8136)優先株について
今朝日経のHPで、表題株式の償却が行われないため株式の希薄化リスクがある、旨の記事を見かけました。(ただし、今サイトを探しても出てきません。消してしまったのか?)
もう、4年も前に行われた資本増強策で、普通株式に併せてA,B2種類の種類株が発行され、A種は既に転換が完了しているのですが、B種の転換が平成22年3月23日から可能になるようです。
発行額は100億円で割当先は東京三菱銀行、みずほコーポレート銀行にそれぞれ90万株、10万株となってますので、発行体の意向に沿わない形で処分することは無いでしょう。
サンリオは当初転換可能になる前に強制償還を行うつもりだったようですが、21年6月の決算説明では、断念した旨が記載されています。直近の業績などを考えればやむを得ないでしょう。
サンリオの財務データを見ると(以下すべて21年3月31日ベース)、有利子負債残高は323億円になりますが、手元現預金、投資有価証券(上場株式と債券で換金性は高い)が197億円ありますから、少なめに見積もっても174億円程度の現金があると考えてよいと思います。よってネットデットは169億円。一方、来期予想営業利益が65億円に毎期の減価償却費が15億円程度ありますので、EBITDAは80億円。銀行はネットデット/EBITDA比率を4倍から5倍は許容するでしょうから、まだまだ借入余力はありそうです。(実際に貸すかはわかりませんが)
仮に優先株主が転換行使すると、111億円分(=100億円/直近平均株価の90%)の株式が発生しますが、これはおよそ28週分の出来高(=111億円/4億円)に相当します。当然相当な株価への影響が懸念されますが、上記2行は共にサンリオの大株主で、株価下落は避けたいでしょうし、またこの優先株式は配当が5%近く支払われる(=4%+6ヶ月TIBOR)ので、優先株主は継続保有で満足だと思われます。
あとは、サンリオ自身が5%近いコストを嫌がって、さらに借入をした上で買入償却を行うか?ということになりますが、21年3月以降3年間で143億円の既存債務の返済が迫っており、また現下の経済環境で現金残高を減らす事を良しとする心情にはなりにくいと思います。
というわけで、新聞記事の憶測通りの展開にはならないのではないかと思います。ただし今後、株価が回復基調になった際、優先株の存在が「重し」になる事は間違いないでしょう。
第三者割当増資(普通株式・優先株式)に関するお知らせ
http://www.sanrio.co.jp/corporate/ir/disclosure/detail/45_0209.pdf
優先株式の強制償還に関するお知らせ
http://www.sanrio.co.jp/corporate/ir/disclosure/detail/49_0529_1.html
株式会社サンリオ第49期決算説明会資料
http://www.sanrio.co.jp/corporate/ir/result/detail/49_fin_briefing.pdf
サンリオ、優先株消却を事実上撤回。(2009/6/13)
http://company.nikkei.co.jp/news/news.aspx?scode=8136&NewsItemID=20090613NKM0042&type=2
もう、4年も前に行われた資本増強策で、普通株式に併せてA,B2種類の種類株が発行され、A種は既に転換が完了しているのですが、B種の転換が平成22年3月23日から可能になるようです。
発行額は100億円で割当先は東京三菱銀行、みずほコーポレート銀行にそれぞれ90万株、10万株となってますので、発行体の意向に沿わない形で処分することは無いでしょう。
サンリオは当初転換可能になる前に強制償還を行うつもりだったようですが、21年6月の決算説明では、断念した旨が記載されています。直近の業績などを考えればやむを得ないでしょう。
サンリオの財務データを見ると(以下すべて21年3月31日ベース)、有利子負債残高は323億円になりますが、手元現預金、投資有価証券(上場株式と債券で換金性は高い)が197億円ありますから、少なめに見積もっても174億円程度の現金があると考えてよいと思います。よってネットデットは169億円。一方、来期予想営業利益が65億円に毎期の減価償却費が15億円程度ありますので、EBITDAは80億円。銀行はネットデット/EBITDA比率を4倍から5倍は許容するでしょうから、まだまだ借入余力はありそうです。(実際に貸すかはわかりませんが)
仮に優先株主が転換行使すると、111億円分(=100億円/直近平均株価の90%)の株式が発生しますが、これはおよそ28週分の出来高(=111億円/4億円)に相当します。当然相当な株価への影響が懸念されますが、上記2行は共にサンリオの大株主で、株価下落は避けたいでしょうし、またこの優先株式は配当が5%近く支払われる(=4%+6ヶ月TIBOR)ので、優先株主は継続保有で満足だと思われます。
あとは、サンリオ自身が5%近いコストを嫌がって、さらに借入をした上で買入償却を行うか?ということになりますが、21年3月以降3年間で143億円の既存債務の返済が迫っており、また現下の経済環境で現金残高を減らす事を良しとする心情にはなりにくいと思います。
というわけで、新聞記事の憶測通りの展開にはならないのではないかと思います。ただし今後、株価が回復基調になった際、優先株の存在が「重し」になる事は間違いないでしょう。
第三者割当増資(普通株式・優先株式)に関するお知らせ
http://www.sanrio.co.jp/corporate/ir/disclosure/detail/45_0209.pdf
優先株式の強制償還に関するお知らせ
http://www.sanrio.co.jp/corporate/ir/disclosure/detail/49_0529_1.html
株式会社サンリオ第49期決算説明会資料
http://www.sanrio.co.jp/corporate/ir/result/detail/49_fin_briefing.pdf
サンリオ、優先株消却を事実上撤回。(2009/6/13)
http://company.nikkei.co.jp/news/news.aspx?scode=8136&NewsItemID=20090613NKM0042&type=2
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