昨日、富士通子会社のFDKが三洋電機の充電池製造子会社二社を買収する旨が発表されました。
FDKは従前から事業構造改革に取り組んできた会社です。これもそうした改革施策の一端と思われます。
株価は100円台と低調ながら、取引株数はそこそこありますから、それなりに個人投資家が手を付けやすいのでしょう。
会社の来期当期利益予想が、10億円でこれは現値(148円)で見るとPER4.76倍と見えますので、単純な見方をすると「業績回復期待銘柄」として囃す向きもありそうです。そこで、非常に簡単ながら果たしてどの様な状況なのか見てみました。
まず、09年9月末現在のBSを見ると、55億円弱の現預金に対し有利子負債が180億円強、一方株主資本は前期の債務超過を親会社である富士通への割当増資した後で、16億円強です。D/Eレシオが11倍弱となります。
また、会社予想が仮に正しいとして、営業利益25億円+減価償却費21億円(=半期で10.5億円だったので)で、EBITDAが46億円。EV=時価総額+有利子負債-現預金=320億円+180億円ー55億円=445億円、これは予想EBITDAの10倍弱となります。かなり割高です。
また、先日上記の会社を買収しましたので、その資金64億円の調達が必要となりますので、たとえ自社子会社を売却(10月20日発表)したとは言え、負債の増加は免れないでしょう。さらにこの買収ですが、当期利益倍率で35倍強で買ってますので、詳細はわかりませんがかなり割高な買い物をした様に見えますので、これをプラス材料と捕らえるのは、難しいと思います。
9月30日末の第二四半期では、2億円弱の当期損失だったのに、3月末には10億円の当期利益予想である点も、本当に実現するのか不安視せざるをえませんので、なかなかファンダメンタルズでは買いにいけない銘柄だと思います。
三洋電機、FDKに電池子会社2社を64億円で売却へ
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