2009年10月29日木曜日

子供手当てについて

政権をとった民主党の目玉公約の一つが、「子供手当て」の実施ということで、今まさに予算の中でどう実現するか議論されているようです。これを「バラマキ」とする意見もあるかと思いますが、そもそも何を目指した政策なのか?という意味で、疑問を感じます。

まず、民主党の公約によると「収入格差による学力格差の解消」を狙った物の様に見えます。ここでいうが学力格差は、主に高等教育へ進む可能性について指している様です。つまり「通塾による学習補助をしなさい」という手当てだということです。これに素直に反応したのが株式市場で、学習塾関連の株価が釣りあがる結果となっています。

しかし疑問に思わざるを得ない事は、こと「子育て」の問題の中での優先順序はこれでよいのか?ということです。
思いつくまま議題になりそうな言葉を挙げても、「低下する出生率」「待機児童問題」「学力格差」などが思い浮かびますし、学力格差問題以上に、現実に子育てをする家庭から歓迎されそうなのは、「待機児童問題」の解消の様に思います。出生率の低下抑制のためにも、出産後の支援を強化する事が必要だと思いますから、優先順位は「待機児童問題」>「出産支援」>「学力格差」なのではないでしょうか?厚生労働省の試算でも、2兆円足らずで実現可能と言いますから、「今回の手当ての予算規模より小額で済みます。

また、この手当ては使途を限定されない形で支給されるようです。となると、政策実施の意図と異なる使われ方もされる訳で、果たしてその事は許されるのか、疑問に思います。今回の手当ては別な側面から見ると、支給対象外の納税者からし急対象者への「所得の移転」と言えます。その「所得の移転」がどの様な理由によって許されるのか?を考えると、やはり国家を維持していくために将来の人口問題の解消と産業競争力強化が必要、という論点になるでしょう。ところが、使途が限定されない支給方式だと、先の論点からのブレが問題になる訳です。

世帯所得による制限を設けるか否か?という論点も、結局の所はこの手当ての目的が何か?という認識にブレがあるからです。仮に学力格差の解消を狙うなら、世帯所得による制限は付けるべきでしょう。しかし今回、その制限は課されない様です。となると、この手当ては何の目的で実施されるのでしょうか?「学習塾業界への支援策」というなら、それはそれで目的がはっきりしますが、世論は受け入れないでしょう。

今一度、目的と手段を整合させる議論が行われるべきだと思います。

子供手当て関連が高い!大都市株の値幅大きく民主党地盤と類似?

財源不足下でも待機児童解消と弱者支援が両立可能な保育制度改革

民主党【政権政策Manifesto2009】 子育て・教育

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