2009年10月30日金曜日

日本航空(9205) その5

日本航空の再生劇ですが、約一月すったもんだした挙げ句、予想通り国土交通省の「代理人」(一般にはタスクフォースなどと呼ばれているが)案では債権者の理解も、また国(財務省)の協力も得られず、支援機構入りとなりました。

既に指摘した通りですが、「筋論」として内容がいびつでしたし、「実効性」においても全く当てにならない、「代理人」を主軸とした取り組み体制には、この過程に関与したすべてのステイクホルダーは、正直呆れたのでは無いでしょうか。

35日間、多いときには100名程度が本件にかり出されたそうですが、例えば平均60名が35日間、例のタスクフォースのため雇われたとして、仮に日当5万円だとすると、
35日 x 60名 x 5万円 = 105百万円となります。実際には、この10倍以上の費用が支払われるらしいので、となると日当50万円、時間単価で5万円という契約内容だと考えられます。かなり高い「授業料」です。

費用の性格を考えても、これは日本航空ではなく国土交通省が支払うべき費用でしょうし、またその価格の正当性と支払先、その内訳はちゃんと開示されるべきでしょう。また、そもそも何でこれら代理人を雇い入れたのか、またその選定プロセスに問題は無いのか、についてもきちんと説明すべきだと思います。

さらに、今回の「代理人」の方々に対する評価、というものもきちんとすべきだと思います。この様な結果となるにも関わらず、上記の通り相当な額の報酬が支払われる事について、果たして関係者の理解が得られるものなのか疑問に思う意見もあるでしょう。

ところで、先の支援機構ですが、その位置づけはかつての産業再生機構と同じということですから制度面での優遇措置により、ある程度債権者にとっても債権放棄などをしやすいとは思いますが、一方で国が資金を入れる前提で運営される組織ですから、これまで同様に国による支援の肯定化をどの様に行うか?が大問題となります。年金もいざとなったら特別立法で強制的に削減する構えの様ですが、そもそも憲法に定める財産権の侵害の恐れもありますので、出来れば債権者/債務者の双方で折り合いのつく形を時間を掛けて探る、という方向にしてもらいたいものです。

【日航再建】前原国交相会見詳報「中身は言えない」一点張り
日航再建、タスクフォース案白紙 “傷”深めた1カ月の迷走劇
JAL実質債務超過額は7569億円!全金融機関の融資残高を独占入手
日航再建 年金債務、立ちはだかる壁 特別立法模索…苦渋の政府
日航再建、事実上の国の管理下で再建目指す

0 件のコメント:

コメントを投稿