2009年10月27日火曜日

日本郵政の疑惑解明、総務省が特別チーム発足へ

従前から何かと疑問視されてきた事に、ようやくメスが入るようです。
注目されるのは、旧日本郵政公社が保有していた資産売却に伴う、売却先等のプロセス設計とその運用の適正さ、及び内部に登用されていた幹部人員のそれら決定への関与の仕方、といったところだと思います。

既にさまざまなメディア等で報じられる様に、「日本郵政民営化」は小泉政権の改革施策の目玉(の一つ)でしたし、そのプロセスに絡んでさまざまな利害が対立しうる話でもあるので、仮に今回の調査で何も疑わしき事が検出されなかったとしても、事後的に開示報告すべき事柄でしょう。

ところで、こうした「民営化巻き返し」の動きが、調査及び人事の面で表面化する中で、気になる点があります。それはそもそも論として、なぜ「民営化が必要とされたか?」という論点が忘れ去られないか?という事です。

多分に政治的な意味合いを帯びた「民営化」騒動ですが、きっかけは確か非常に現実的な財務的な問題だったと記憶しています。
1.郵便事業の非効率性及び競争力の欠如に伴う将来への不安
2.「財政投融資資金の供給源」から「健全なBSを有す金融機関への脱皮」の必要性
3.その巨大な存在ゆえの民業圧迫批判の解消

これら問題意識の元、特定郵便局の問題や、郵便事業の効率化、全国一律のサービス提供実現、財政投融資の実態解明、金融機関としての機能確立、郵政ファミリー企業との癒着解消、などを進めて来たのだろうと思うのですが、保有財産流動化を進める点でケチが付いたようです。

無論、原口総務相の言う「公的資産の私財化」が疑われる状況は看過出来ません。ただ、一方で業務非効率性の温床となっていた、ファミリー企業や特定郵便局などとの関係が、民主党が本件に主体的に関与することで、以前と同じに戻ってしまうとしたら、民主党の評価に傷が付くでしょう。

今、日本郵政のホームページを見ていますが、民営化までの道のりなど、一定の開示対応をしているようです。ただし、上の様な特に懸念される事柄について、具体的に答えた内容にはなっていませんし、(何がどの様に進められるのかを示す)工程表も開示がありませんから、十分な開示説明とは考えられないと思います。

亀井金融・郵政問題担当相が就任されてから、国民目線でのさまざまな「見直し」が論じられ、これはこれで評価が高いと思います。ただ、一方で当然抵抗勢力という者は常に存在し、せっかくの改革施策も事実上骨抜きにされてしまう恐れもあります。そうした懸念を念頭に、プロセスの適正さ、運営の公正さ、不透明さの解消を一層進めて行く必要があると思います。

日本郵政の疑惑解明、総務省が特別チーム発足へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091024-00000564-yom-bus_all

日本郵政株式会社法第14条第2項に基づく監督上の命令により講じた措置に関する報告(平成21年9月末までの措置状況の報告)について

http://www.japanpost.jp/pressrelease/detail.php?code=2009100701


金融行政の思想・理念は180度変わる=亀井郵政・金融担当相
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK032139920091027

モラトリアム法案が骨抜きで胸をなで下ろす金融機関
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20091027-00000000-diamond-bus_all

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